どう変わる?働き方改革法案成立→労働基準法の改正

  • トップページ
  • どう変わる?働き方改革法案成立→労働基準法の改正
目次



‐ 働き方改革とは

『働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。』
※引用:首相官邸「働き方改革の実現」

上記の通り、働き方改革とは『一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ 』として多様で柔軟な働き方を選択可能な社会を目指した労働制度の大幅改革を進めることです。

「働き方改革」という言葉自体は以前からありましたが具体的に推進の動きを見せ始めたのは、2016年8月3日の第3次安倍内閣が発足して以降となります。

「働き方改革」を行う目的は、ひとりひとりの能力や意思、または事情に応じた柔軟・多様な働き方を選択できるような社会を追求する(働き方改革を進めていく)ことで、ワークライフバランスの実現と生産性を向上することです。

‐ 働き方改革法案とは

正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」
または働き方改革一括法は、日本法における8本の労働法の改正を行うための法律の通称である。
※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

働き方改革関連法案は、2018年6月に可決、成立し、2019年4月から施行されることになりました。
その実態は、従前の「雇用対策法」や「労働基準法」など、労働関係法を改正することであり、以下の3本柱が、その基盤となっています。

(1)働き方改革の総合的かつ継続的な推進
(2)長時間労働の是正・多様で柔軟な働き方の実現等
(3)雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

‐ 法案成立による労働基準法の改正点

以下、a~iの通り、9つの法改正についてまとめました。

a)有給休暇の取得義務化[労働基準法]
・概要
    10日以上の有休が付与されている場合に5日以上を取得させることを義務化
    →会社の指定による取得と本人の申し出による取得とを合わせて5日以上、有休取得が必要となります。
    ※有給休暇は取得義務化の改正点まとめはこちら

・いつから?
    2019年4月~

・罰則は?
    30万円以下の罰金

b)労働時間把握の義務化[労働安全衛生法]
・概要
    定められた方法での労働時間把握の義務化
    →裁量労働制の従業員は除き、一般社員にだけでなく、管理職の労働時間の把握も義務化されます。
    労働時間の客観的な把握(取得)方法にはガイドラインが制定されています。
    ※引用:厚生労働省「働き方改革」の実現に向けて

・いつから?
    2019年4月~

c)フレックスタイム制の見直し[労働基準法]
・概要
    フレックスタイム制における「清算期間」の上限が、1か月から3か月に延長
    →清算の期間が1ヵ月を超える場合には協定届出が義務化され、労働時間の上限も設定されます。
    ※引用:厚生労働省「働き方改革」の実現に向けて

・いつから?
    2019年4月~

・罰則は?
    30万円以下の罰金

d)勤務間インターバル制度の努力義務[労働時間等設定改善法]
・概要
    使用者は、前日終業時刻と翌日始業時刻の間に一定のインターバル(休息時間)確保の努力義務化
    →努力義務であるため、制度を促進させるために、助成金も設けられることとなりました。
    ※引用:厚生労働省「働き方改革」の実現に向けて

・いつから?
    2019年4月~

e)高度プロフェッショナル制度の創設[労働基準法]
・概要
    年収が1,000万円以上で高度な専門知識を要した従業員を対象とした、休日・深夜の割増賃金等の非適用化
    →年間104日の休日取得等の健康確保措置を講じ、本人の同意や委員会の決議等を要件とする必要があります。

・いつから?
    2019年4月~

f)産業医・産業保健機能の強化[労働安全衛生法]
・概要
    産業医に対する必要な情報の提供、及び衛生委員会への産業医が行った勧告内容等の報告義務化
    →衛生委員会との連携強化や、産業医の活動環境を整備することが定められました。

・いつから?
    2019年4月~

・罰則は?
    50万円以下の罰金

g)時間外労働の上限規制の導入[労働基準法]
・概要
    月45時間、年360時間を原則として、特段の事情がある場合も《年720時間・月100時間・複数月平均80時間》の上限を設定
    →従前には上限がなかった36協定の特別条項(年間6回の上限拡大)において上限が設定されました。
    建設技事業・自動車運転業務・医師などには適用除外や猶予期間の措置があります。

・いつから?
    大企業:2019年4月~ 中小企業:2020年4月~

・罰則は?
    6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

h)同一労働同一賃金の義務化[パートタイム労働法・労働者派遣法]
・概要
    正社員と有期雇用労働者との不合理な待遇差の禁止、及び同一職務の均等待遇の実施を義務化
    →正社員との待遇差の内容、理由の説明が義務化されます。

・いつから?
    大企業:2020年4月~ 中小企業:2021年4月~

i)時間外労働に対する割増料金の猶予措置の廃止[労働基準法]
・概要
    月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の猶予措置を廃止し50%以上を義務化
    →従来の中小企業の割増賃金率は25%と猶予です。

・いつから?
    大企業:適用済み 中小企業:2023年4月~

・罰則は?
    6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

※参考:厚生労働省 東京労働局 パンフレット(時間外労働の上限規制)
※参考:厚生労働省 東京労働局 パンフレット(労働基準法 素朴な疑問Q&A 働き方改革対応!)

‐ 法改正にも対応した勤怠管理システムSPEASIC

勤怠管理システムSPEASIC(スピーシック)とは、出退勤の管理から各種届出の申請、給与計算連携まで可能なクラウド型の勤怠ツールです。
昨今のあらゆる働き方に柔軟に対応し、貴社の業務改革を実現します。

有休取得の未消化アラートやフレックスタイム制(コアタイムあり、なしともに)への対応など、法改正にも準じた多彩な機能を搭載。
また改正法にある《客観的な労働時間の把握》に対しても、エスピーイー株式会社では多様な打刻方法をご用意しています。
クラウド型のシステムなので導入費用も安価でかつサーバーなどの準備がいらず手軽に導入可能です。

無料トライアル・資料請求はこちら!
お気軽にお問い合わせください。

03-5722-5456

/ 営業時間 平日 9:00~18:00